Only

「すいません…」

「夕飯出来たら、呼びに行くから」

先生の優しさに甘えてここは任せて、

1人、部屋に向かった。


「あれ??輝じゃん、どした?」

部屋に入ろうとした時、仁に呼び止められた。

「あ…ちょっと、頭痛くて。少し寝てるね」

泣いてたのがバレないように、少しうつむきながら話す。

「頭痛!?大丈夫かよ?」

「うん。少し痛むくらいだから。夕飯には合流するよ」

「おけー。無理すんなよー?」

「ありがとね」


部屋に入ると、急に眠たくなってきた。

ベッドに顔を埋める。

…泣いた後って、何で睡魔が襲ってくるんだろう。


ねえ大地。

“信じる”って言ってくれた、優しい君。

“任せて”って言っておいて、気持ちが揺れてる最低なあたし。


“どっちか決めろ”

光の言葉を思い出す。


後悔しないのは、きっとその選択。

でも

傷付かないのは、きっと違う選択…



< 250 / 308 >

この作品をシェア

pagetop