Only

涙が止まらなかった。

先生がいる前だというのに、声を出して泣いた。

「辛かったね…」

先生があたしの背中を優しく擦りなから言った。


…先々週って。

光があの星野って子と付き合ったってウワサが流れた時期。

アイツは。

あたしに伝えようと必死だったんだ。

自分の気持ちと。

付き合わなければならなくなった、その理由を。


それなのにあたしは、向き合おうとせずに逃げてばっかりで。

それどころか、大地を傷付けて、アイツまでも傷付けてたんだ…

どこまで最低なんだろ、あたし……


「疲れたー」

「てかお前、タオル置きっぱじゃね?」

「げ、忘れてた!俺取ってくるー」

男子が戻ったのを見て、慌てて時計を見ると、もう午後4時過ぎ。

夕飯の準備……!


「輝は部屋で少し休んでなさい」

「でも、夕飯の準備が…」

「大丈夫。あとは先生やっとくから」


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