Only
寝ている輝の手を強く握り締めて。
輝への想いも、涙も止まらなかった。
…それでも。
泣かせる事しかできないなら…
俺はもう…
「……光…?」
顔を上げると、輝が不思議そうに俺を見てた。
「輝…」
「な…っ、どうしたの?光、大丈夫??」
心配そうに、ハンカチを差し出してくれる輝。
「何かあったの?」
そう訊いてきた輝の腕を引き寄せて、強く抱き締めた。
…悪い、大地。
やっぱ無理だわ。
諦めるなんてできねぇよ。
そして……
お前が与えてくれたチャンスを、
握り締めて。
「ちょっと……光?何が…」
「今までごめん」
「…え?」
本当、ごめんな。
今更だけど。
届け、俺の…想い。
「兄弟だとかそんなのどーでもいい。もう我慢の限界。俺…」
「やっぱ誰よりもお前が好きなんだわ」