Only

偽れない想い


「…っ光、落ち着いてよ、ね?」


“やっぱ誰よりもお前が好きなんだわ”


突然真っ直ぐな想いをぶつけられて、
動揺してしまう。

光はあたしを抱き締めたまま、何も言わない。

「…ねえ光。1つだけ、訊いていい?」

「うん」

あたしは。

大地を傷付け続けてきたの。

そして多分、今から下す決断でまた…

それなら。


「あたし達がヨリを戻して、メリットはいくつある?」


あたしが考える限りは、デメリットの方がはるかに多い。

両親のこと。

大地のこと。


…星野さんのこと。

これは駆け。

光があたしの思うデメリットよりも多くメリットを挙げてくれれば…

「メリット…か」

光が何か考えるように呟いた。

「うん。何個挙げる事できる?」


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