Only

「俺はねーけど」

断言する光の顔はすごく真面目で。

…ああ、あたしはやっぱり、この人からは逃れられないんだ。

そう思った。


「…本当に?」

「ウソで言うかばーか」

不機嫌な顔で、そう言ったと思ったら。


唇が重なった。


不意打ちのキスが、あたしの思考を溶かしていく。




…キューピットが本当にいるのなら

その弓をひいてってお願いしたい

どうなるのか

そのちっちゃな弓で、矢を放つの


あたしだって

ずっと一緒にいれるなら

君もそれを望むなら…



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