Only

ゆっくり唇を離すと、輝が俺をポカーンと見つめてた。

「お前、鈍感な上に生意気過ぎんだよ
俺の気持ちくらい知っとけ」

届いたのか?俺の気持ち。

…さっきからずっと放心状態な輝。

おいおいおいおい…

キスでも分かんねーのか…?

「何?お前キスの意味も分かんないの?」

そう俺が言うと輝は顔を真っ赤にしてうつむいた。


コイツ…俺がどうしたら惚れるのか知ってんのかよ?

顔真っ赤にしてうつむかれたらノックアウトですわ。

お手上げ。


「何お前赤くなってんだよ」

「だって……!いきなりキス、とかするから………!」

そりゃ驚くか。

いきなりキスされて驚かないやつの方がおかしいよな…


「ふっ、お前可愛い過ぎ」


つい出てしまった本音。

その言葉に輝はもっと耳を赤くした。


< 72 / 308 >

この作品をシェア

pagetop