Only

「おはよ」

光に声を掛ける。

「はよ」

ボソっと応える光の顔はまだ少し赤くて。

素直に可愛いと思った。


…ってかすっかり忘れてた。

あたし達、隣同士だったんだ…

クラスメイトがこっちを見てニヤニヤしてる。

「あーあ、あたしの輝が取られちゃったー、残念♪」

優奈がからかうように光に言う。

「るせーよ」

「大丈夫だよ。あたしは優奈のものだもん。ね、優奈?」

「やっぱり?光に輝は渡さなーい♡」


…そんなあたし達の冗談を

「何が渡さなーい♡だよ」

って真面目に受け止めてる光に、胸がときめいた。

コイツ…可愛いとこあるじゃん。


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