Only

その日の放課後。

昨日と同じようにサッカー部の部室へ向かうと、大地が先に来ていたようで。

「よっ!」

とあたしに挨拶した。

「お前、光と付き合う事になったんだって??」

「え?うん、何で知ってるの?」

「光から聞いたよー、良かったね」

優しく笑う大地。


…その笑顔がどこかさみしげだったのは、あたしの気のせいかな。

「光が報告したの!?」

「ん、まあね。だから、輝に何かしたら容赦しないって言っておいたからね」

「容赦しないって、親か!」

ツッコミをいれるあたし。

優しいね、大地も。


あたしは、本当に幸せ者だと思った。


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