さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
あたしは、鼻水をすすりながら言った。
「あたしは、大学に行けるか、わからないよ。」
「え? そんなに大変なの?」
「うん……あたしの貯金まで借せって言うんだよ……」
麻理はため息をついて、あたしをじっと見つめていた。
「他人の不幸は蜜の味」と言う。
不幸な出来事に悲しむ他人を慰める振りをしながら、心のどこかでそれを喜んでいるヒトがいる。
いくら同情的な態度をとっても、口許がわずかに笑っているからわかる。
けれども、麻理は確かに、あたしの悲しみを自分のことのように悲しんでいた。
(めそめそしてはいけない。麻理が悲しむ)
「大丈夫。奨学金をもらうとか、何か方法はあるよ。
大学には行くから。
麻理といっしょに、花の女子大生になりたいもん。
大丈夫、心配しないで」
できるかぎり明るくVサインをした。
「あたしは、大学に行けるか、わからないよ。」
「え? そんなに大変なの?」
「うん……あたしの貯金まで借せって言うんだよ……」
麻理はため息をついて、あたしをじっと見つめていた。
「他人の不幸は蜜の味」と言う。
不幸な出来事に悲しむ他人を慰める振りをしながら、心のどこかでそれを喜んでいるヒトがいる。
いくら同情的な態度をとっても、口許がわずかに笑っているからわかる。
けれども、麻理は確かに、あたしの悲しみを自分のことのように悲しんでいた。
(めそめそしてはいけない。麻理が悲しむ)
「大丈夫。奨学金をもらうとか、何か方法はあるよ。
大学には行くから。
麻理といっしょに、花の女子大生になりたいもん。
大丈夫、心配しないで」
できるかぎり明るくVサインをした。