理想の都世知歩さんは、
「待たせてごめん」
「…っ」
――――――……
警察の方には、都世知歩さんが全部受け答えしてくれた。
『手首を掴まれただけ』だと口にした瞬間に震えが見えた私に、「ドア開けたままでいいから座って待ってて」と頭を撫でた。
少し経って、
目の前で閉まった玄関に顔を上げると、確かに三日振りの都世知歩さんと目が合った。
彼は、「終わり」、と小さく笑んだ。
柔らかく笑んだ。
涙腺が緩み、慌てて顔を下に向ける。
すると都世知歩さんは玄関口に座っていた私の前にしゃがみ、背中に腕を回した。
びく、と肩を跳ねらせた私。
ぎゅうと抱きしめて、抱きかかえた。
「っ」
「腰抜けて立てないよな」
それから私の部屋へと運ばれ、クッションやら布団やらを背にしたところで下ろされる。
「怖かったな」
それに、どうにかして応えようと、唇を開いてみたものの出て来ない声。
都世知歩さんは、「あー、いい。思い出さないで」と、再度私を抱き寄せた。