BULLET for MY VALENTINE

――――――夜―――――――


震えが止まらない。歯をくいしばってもガチガチ鳴り、目は瞬きすら許さず、見開いたままだった。


ロイは、本当の恐怖を知った。

「英雄」という言葉を忘れ、ただひたすらジャクソンの弾丸の首飾りを握り続けた。


想像を、絶した世界。人がゴミの様に吹き飛び、殺されていく。


戦争。これが……戦争。

それがロイに理解出来た限界だった。


「ごめんなさい父さんごめんなさい父さんごめんなさい父さんごめんなさい父さんごめんなさい父さんごめんなさい父さんごめんなさい父さんごめんなさい父さんごめんなさい父さんごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい――――」


ザリッという音。足、音。


全身から冷や汗が吹き出る。息を殺そうと、口を両手で塞ぐ。



――――――チャリン――――――

金属、音。

ジャクソンの首飾りから…こぼれ出た音。足音が、止んだ。

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