初恋は雪に包まれて


細かな雪はちらちらと休むことなく降り続ける。

寒さのせいか、伊東くんの鼻の頭が少し赤い気がする。大丈夫かな、伊東くん、風邪ひかないかな。


「小山はボケッとしてるし、心配だったんだよ。」

「……私、そんなに危なっかしいかなぁ。」


もう23年も生きてきた。まだ23年なのかもしれない。

その中で、少しずつ色んなことを吸収して大人になってきたつもりでいたけど、まだまだ私は立派な大人として胸を張れないのだろうか。

……悔しいなぁ、小さいころに夢見ていた大人にはまだまだ近づけそうにないようだ。



「……っていうかさ、」

「うん?」

「好きな女のことが常に心配なのは、男なら誰だってそうだろ。」

「すっ……」


……好きな女!

そうだ忘れてたけど、私伊東くんに告白されたんだった!



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