月光-ゲッコウ-


「あなたの事だから、絶対スーツでくると思ったので買っておきました。
プレゼントです。
着いたらぜひ着替えてくださいね。」


はぁ!?


どうやら、中身は服らしい。


っというか、読まれてしまっている事にショックだ。

それにメールではあんなに馴れ馴れしくしてくるのに、なんで会ったら会ったで敬語なんだろ。


『こんな事されても困ります。
プレゼントなんていただけません。』


プレゼントをつきかえそうとすると、手で止められた。


「今夜一緒に食事をすると約束したからには、貰ってください。
それに男は1度出したモノはひっこめません。」


にこやかに言われて、何も言い返せず、自分のひざの上にプレゼントを戻した。

車の中で終始彼はニコニコとしていた。



会話もはずまないまま車は目的地に着いた。




< 32 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop