月光-ゲッコウ-
「あなたの事だから、絶対スーツでくると思ったので買っておきました。
プレゼントです。
着いたらぜひ着替えてくださいね。」
はぁ!?
どうやら、中身は服らしい。
っというか、読まれてしまっている事にショックだ。
それにメールではあんなに馴れ馴れしくしてくるのに、なんで会ったら会ったで敬語なんだろ。
『こんな事されても困ります。
プレゼントなんていただけません。』
プレゼントをつきかえそうとすると、手で止められた。
「今夜一緒に食事をすると約束したからには、貰ってください。
それに男は1度出したモノはひっこめません。」
にこやかに言われて、何も言い返せず、自分のひざの上にプレゼントを戻した。
車の中で終始彼はニコニコとしていた。
会話もはずまないまま車は目的地に着いた。