【短編・番外編】恋の罠〜恋を見つけた時〜


「あ、先輩。あたし教室に忘れ物っ」


下駄箱まで来た時、小川が思い出したように言い出した。


「はぁ?

おまえ…散々オレを待たせた挙句に忘れ物かよ(笑)

早く取って来い」


「すぐ行って来ますから、ちょっと待っててくださいね」


小川の後ろ姿を見送りながら、小さくため息をついて下駄箱に寄りかかる。


もう下校時間をかなり過ぎているため、下駄箱も校舎も静まり返っていた。

校庭から聞こえてくる運動部の威勢のいい掛け声がすがすがしい。


掃除が終わってすぐに小川を迎えに行ったのに、小川は補習だとか言って、しかもその補習小川1人で…

仕方なしに、小川のプリントが終わるまで付き合ってたからこんな時間になったんだけど。

…小川が頭があまりよくないってすっげぇ意外で、面白くてからかってたからプリントがなかなか終わらなかったんだけど。


…ほとんどオレのせいだな。

小川は真面目にやってたし。


ぼんやりしながら待っていると、足音が聞こえてきてオレは視線を移した。

小川かと思って待っていると、その足音は下駄箱まで来ないで止まった。



「急にどうしたんですか?」


静かな廊下に響いたのは朱莉の声で…

オレは反射的に体を起こした。


そして足音を立てないように歩いて、壁に隠れながら廊下を覗く。

別に朱莉1人なら隠れる必要なんかないけど…多分、会長も一緒だから。


朱莉の話し方でそんな事まで分かる自分にも呆れるけど。



オレがそっと覗くと、そこにはオレの予想通りの2人がいて…

すぐ傍の教室に入った。


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