【短編・番外編】恋の罠〜恋を見つけた時〜


「じゃあ、なるべく早めに髪戻してくるように」


爽快な笑顔でそう言うと、会長はオレの後ろを通り過ぎていった。

…突っかかんなきゃよかったな。


朱莉に振られてるオレと、朱莉と付き合ってる会長じゃ勝ち負けなんか決まってるのに。

あ~あ…すっげぇ負けた気分だ。

カツの間に隠れてたグリーンピースを発見して、気分がますます下降していく。


「会長、相変わらずだよな。

やっぱり大学はS大かな。

頭よし、顔よし。

ああゆう男になってみたいなぁ…」


隣の充が、ため息混じりに漏らす。

オレだってなれるもんならなってみたいね。

涼しい顔して歩くだけで女子の熱~い視線を集めちゃうような。


バレンタインなんて、数え切れないほどのチョコを渡されるくせに

「きみの気持ちだけで十分だよ。

チョコは少し苦手なんだ…ごめんね」なんて言っちゃって。

やんわりと断られても、女子はそれに気付かず顔真っ赤にさせちゃって。


絶対、ホストとかしたらNO1になるだろうな。

素質あるし。


…S大なんか止めていっそホストになればいいのに。

で、破局すればいいのに…なんて。


確かに会長は羨ましいけど…

オレには出来ないだろうな。


会長はいつも爽やかだし、余裕を余してるけど…

裏ではすっげぇ大変だって知ってるし。


いじめ止めに入ろうとすると、2度に1回はオレより先に会長が止める。

きっと、常に色々と目をかけてるんだ。


教師と生徒の関係が上手く保てるように、いつも会長が間に入って意見をまとめる。

それでも、つらい顔1つ見せずに涼しそうで。


ただ単にそうゆう性格なのかもしれないけど、そこに必ず努力はあるはずで…


…絶対オレにはできない。


だから、朱莉が惚れるのも分かる。

…それが余計に悔しいんだけど。


すっげぇ悔しいんだけど。



「なんか今日のカツ丼グリーンピース多いな…」


そう呟いた充に知らん振りして、オレは残ってるカツ丼を口に詰め込んだ。



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