【短編・番外編】恋の罠〜恋を見つけた時〜
社会科室には西日が差し込む。
机も黒板も、全てがオレンジ色に染められていく。
そんな中にいる2人は、ため息がでるほど美男美女で…誰が見てもお似合いだ。
「そんなのっ…」
「できない?
大丈夫だよ。もっとこっちおいで」
混乱している朱莉の手を引いて、自分の足の間に立たせる。
軽く腰をかけてる会長と、立ったままの朱莉は同じくらいの目線になった。
「ほら」
「ほらって…や、無理ですってば…」
朱莉の出方を見るように、挑発にも近い言葉をかける会長はすごくセクシーで…
見てるオレですら照れるほどだった。
…本当にどこまでもイヤミな男だ。
「無理?
…そうか。朱莉は俺の事たいして好きな訳じゃないんだね…」
「…っ」
会長の言葉に、朱莉が困惑した表情を会長に向けた。
少し睨んでいるようにも見える目で会長を見つめて…少ししてから諦めたように会長の肩に手で触れた。
「朱莉?」
「…目、つぶっててください」
ふっと笑みをこぼした会長が、朱莉の腰に手を回しながら瞼を下ろす。
緊張して真っ赤になった顔をした朱莉が、少し顔を傾けて会長に近づいて…
……ばかみてぇ。
やめだ、やめ。
悪戯心でつい覗きなんか始めちゃった事を心の底から後悔した。
見なきゃよかった。
聞かなきゃよかった。
あんな、顔する朱莉なんか…
あんな、声出す朱莉なんか…
会長しか知らない朱莉なんか…知りたくなかった。
知りたくなかったのに。
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