【短編・番外編】恋の罠〜恋を見つけた時〜
「なんだよ、食いすぎ?
カツ丼大盛りとからあげなんか食べるから胸やけしたんだろ。
ほら、胃薬。これ効くぞ~」
用意のいい、そして勘違いの多い充に差し出された胃薬は顆粒で、オレがもっとも苦手なタイプの薬だった。
いっくら調子がよくってもあの胃薬の顆粒薬の味は、吐き気を誘う。
…大体にして別に胸やけしてるわけでもねぇし。
もっとメンタル的な問題だし。
「こんなまじぃの飲めるかっ」
「いや、マジ効くから騙されたと思って」
「つぅか、オレ別に…」
体調が悪い訳じゃない事を伝えようとしたオレの視界に、突然朱莉が飛び込んできてオレの言葉を止めた。
「山岸、気持ち悪いんでしょ?
はい、これあげる」
どうやらオレ達の会話を聞いていたらしい朱莉は、少しだけ笑顔を浮かべながらオレに胃薬を差し出してきた。
…錠剤の。
「山岸って子供だよね(笑)
顆粒の薬飲めないなんて。
体ばっかりそんな大きくなってどうすんの?」
軽いイヤミを添えながら手渡れた薬に、オレは視線を落としながら口を開く。
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