【短編・番外編】恋の罠〜恋を見つけた時〜
「顆粒の薬なんて飲まなくても生きていけるからいいんだよ(笑)
そんなん飲む奴の気が知れねぇよ…まずいじゃん」
「それが子供だって言ってんの(笑)
あたし、顆粒飲めるのにわざわざ山岸のために錠剤にしてるんだからね」
苦笑いを浮かべながら言う朱莉が、チラッとオレを見上げた。
まったくしょうがないんだから。そんな風に。
…それ絶対反則だろ、なぁ。
恩義せがましくイヤミを言ったつもりだろうけど…きちゃったんだけど。胸に重く。
…この小悪魔め。
ちなみに会長は悪魔だな。
オレが胸やけしてるなんて知ったら、笑顔でコロッケとか渡してくるんだろうな。
「これ、いつも行列が出来て買えないんだ」なんて言いながら。
…シャレになんねぇ。
「ってゆうか、自分で持ち歩きなよ、ばか」
そんな言葉を残して、朱莉がオレに背中を向ける。
オレが告白なんかしたから…
あれから朱莉は少なからずオレに気を使ってる。
言う事は強いし、態度だって可愛くないけど…朱莉はそうゆう奴だから。
本当はすごく優しい奴だから。
いつだってオレに気を使ってるんだ。
だけど、それがオレにバレたらオレが気にするのを分かってるから。
だからいつもみたいにイヤミやら文句やらを笑顔で置いていく。
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