【短編・番外編】恋の罠〜恋を見つけた時〜


「顆粒の薬なんて飲まなくても生きていけるからいいんだよ(笑)

そんなん飲む奴の気が知れねぇよ…まずいじゃん」


「それが子供だって言ってんの(笑)

あたし、顆粒飲めるのにわざわざ山岸のために錠剤にしてるんだからね」


苦笑いを浮かべながら言う朱莉が、チラッとオレを見上げた。

まったくしょうがないんだから。そんな風に。


…それ絶対反則だろ、なぁ。

恩義せがましくイヤミを言ったつもりだろうけど…きちゃったんだけど。胸に重く。

…この小悪魔め。


ちなみに会長は悪魔だな。

オレが胸やけしてるなんて知ったら、笑顔でコロッケとか渡してくるんだろうな。

「これ、いつも行列が出来て買えないんだ」なんて言いながら。


…シャレになんねぇ。


「ってゆうか、自分で持ち歩きなよ、ばか」


そんな言葉を残して、朱莉がオレに背中を向ける。


オレが告白なんかしたから…

あれから朱莉は少なからずオレに気を使ってる。


言う事は強いし、態度だって可愛くないけど…朱莉はそうゆう奴だから。

本当はすごく優しい奴だから。

いつだってオレに気を使ってるんだ。


だけど、それがオレにバレたらオレが気にするのを分かってるから。

だからいつもみたいにイヤミやら文句やらを笑顔で置いていく。

.
< 5 / 46 >

この作品をシェア

pagetop