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サイバー犯罪対策室
東京都霞が関、第二合同庁舎五階に警察庁サイバー犯罪対策室がある。
振り込め詐欺班、ネット詐欺班、コンピューターウイルス班、風俗班、自殺サイト班などがある。

部屋の壁には、無数の大型液晶画面が壁が見えないくらいに設置されており、デスクは班毎に分かれているが、部屋全体を見渡せるオープン席になっている。
デスクの上には、最新のPCが設置されている。
FBIをまねしたのか?警察機関としては進歩的だ。
隣の部屋には、スパーコンピュータと大型サーバーが静かに唸っている。

サイバー対策室長室はガラス張りの部屋で、各班を見渡せる位置にある。

自殺サイト班の石井主任(刑事、警部補)は各県警から自殺者の資料を集めていた。

最近は不景気、世の中の堕落、将来への不安、家庭の崩壊などから自殺者が増え続けている。

破綻した者は家族に最後の砦として、死亡保険金を残す。

堕落した世の中に絶望して、ふっと電車に飛び込む。

彼女からフラれ、あてつけに手首を切る。

ネット自殺サイトで共感して遊びで集団自殺する。

自殺で年間3万人の尊い命が失われている。
石井は資料を集めていると、若者の自殺がここ数ヵ月で急増していることに気づいた。
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