アバター
優子は、屋上の手摺を越えた。身体が宙に舞う。アバターがスローモーションにしているのか、ゆっくりと地面が近づく。アスファルトに足から落ちた。足がボキボキと折れる。続いて腰が砕け、背中が地面に打たれ、内臓が潰れる。痛みはまだ脳に達してない。その前に死にたい。早く死にたい。頭が反動で激しく地面に叩きつけられる。優子の後頭部は、粉々に砕ける。優子は即死した。目を見開いて死んでいる。その傍には粉々になった携帯とナイフが落ちている。
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