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同時多発自殺事件
石井と小林は、埼玉県警捜査一課の桜田に由香の警護を任せて、警察庁に戻り、上司であるサイバー犯罪対策室長の富永(警視正)に今までの報告をしていた。

富永室長は、今までの報告書を真剣に読んでいる。 

「東京、埼玉で、今までに10名が、自殺、殺人の犠牲になっているのか!それもすべて少年、少女。これは、ただ事ではない。石井、お前が中心になって捜査をしろ。他の部署から増員もする」
富永室長は全容を把握していないが、異様な事件に重たい腰を上げた。

「はい、分かりました。それで何名増員されるのですか?」

富永室長は、しばらく考えて、

「各課から集め、5名増員する。それと、警視庁、埼玉県警に連続自殺対策本部を作ってもらう。合同で協力して捜査する」

「はい。分かりました」と石井は、室長の部屋を出た。
 
石井は一睡もしていない。休憩室のソファーで、横になった。小林は仮眠室で寝ている。
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