キミのための声
しばらくの沈黙のあと、
切り出すように建吾くんが
声を出した。
『――アイツの言うことは、
あんま気にすんな。』
「え?」
『愛梨沙ちゃんは目の前の
葵だけを信じてればいい。』
「……あ…うん……。」
思わず、語尾が「?」の調子に
上がりそうになった。
―――目の前の
葵くんだけを……
建吾くん、どういう意味で
言ってるんだろう。
『好きでしょ?葵のこと。』
建吾くんらしい優しい声に
どこかホッとしながら、
「うん……好き。」
はっきりと言った。
『その気持ち大事にして
頑張ってな。応援してるよ』
「うん!ありがとっ!」
『じゃあ、またな』
「ばいばーいっ」
笑顔で言って、電話を切る。
それと同時に部屋は
一気に静まり返り、
なんだか寂しくなる。
……なんなんだろう
もちろん葵くんも
そうなんだけど
建吾くん
何か…変じゃない……?
話してると、たまに感じる
違和感みたいなもの
なんなんだろう。
あたしの気のせいかな?
考えすぎ?
だけど何か
何かを遠回しに―――……
「……………」
……だめだ。
変なこと考えるのはヤメよう。
頭痛くなってきちゃった。
もともと脳みそ小さいのに
色々考えるから……
「…お風呂入ってこよ。」
今日は食欲もない。
さっさと寝よう。
……明日からは、
お弁当を作らないけれど。