キミとの距離は1センチ
「とりあえず、あの駅での分はこれで許す。とりあえず」
「………」
と、『とりあえず』を2回言ってるあたり、なんだかこわいです伊瀬さん……。
頬を押しつけられている真っ白なシャツから、伊瀬のにおいがする。
ドキドキして、落ち着く、におい。
鎖骨のあたりにひたいを擦りつけながら、わたしはまた、その背中に手を回した。
「……宇野さん、も、確かに大事な人だけど……」
顔は見えないけれど、一瞬にして、伊瀬から不穏な雰囲気が醸し出されたのがわかった。
ぎゅうっと強く、そのシャツに顔をうずめる。
「……恋愛感情で『すき』なのは、伊瀬だけ、だよ」
「──、」
「宇野さんに振られたあの日……い、伊瀬とえっちしたときだって、あのとき宇野さんのこと、全然思い出してなかったもん」
頭上から、深いため息が降ってくる。
やっぱり怒ってるかな、と、顔を上げかけたけれど。
それは彼がまた強くわたしを抱きしめたことによって、叶わなかった。
「……なんだそれ。そんなん言われたら、死にそうなんだけど」
「え……し、死んじゃやだ」
「それ以上かわいいこと言うな。今すぐホテルに連れ込みたくなる」
笑い混じりに言ってるけど、その声音が結構本気なことがわかって、また頬を染める。
伊瀬はわたしの頭を撫でると、両頬を手で挟んで上向かせた。
しっかりと目を合わせた彼は、とてもうれしそうに、笑っていて。
「それじゃあ、改めて。……すきだ。俺と、付き合ってください」
「……はい」
──ずっと、こんなに近くに、あったんだ。
わたしだけの、一等星。
「………」
と、『とりあえず』を2回言ってるあたり、なんだかこわいです伊瀬さん……。
頬を押しつけられている真っ白なシャツから、伊瀬のにおいがする。
ドキドキして、落ち着く、におい。
鎖骨のあたりにひたいを擦りつけながら、わたしはまた、その背中に手を回した。
「……宇野さん、も、確かに大事な人だけど……」
顔は見えないけれど、一瞬にして、伊瀬から不穏な雰囲気が醸し出されたのがわかった。
ぎゅうっと強く、そのシャツに顔をうずめる。
「……恋愛感情で『すき』なのは、伊瀬だけ、だよ」
「──、」
「宇野さんに振られたあの日……い、伊瀬とえっちしたときだって、あのとき宇野さんのこと、全然思い出してなかったもん」
頭上から、深いため息が降ってくる。
やっぱり怒ってるかな、と、顔を上げかけたけれど。
それは彼がまた強くわたしを抱きしめたことによって、叶わなかった。
「……なんだそれ。そんなん言われたら、死にそうなんだけど」
「え……し、死んじゃやだ」
「それ以上かわいいこと言うな。今すぐホテルに連れ込みたくなる」
笑い混じりに言ってるけど、その声音が結構本気なことがわかって、また頬を染める。
伊瀬はわたしの頭を撫でると、両頬を手で挟んで上向かせた。
しっかりと目を合わせた彼は、とてもうれしそうに、笑っていて。
「それじゃあ、改めて。……すきだ。俺と、付き合ってください」
「……はい」
──ずっと、こんなに近くに、あったんだ。
わたしだけの、一等星。