小さい私のステキな彼氏
「どうしたの?」
私が声をかけると、男の子はビクッと体をビクつかせたがゆっくりと話してくれた。
「にぃちゃん・・・いなくて・・・こわい・・・」
あ、やっぱり迷子なんだー。
「お姉ちゃん達とお外へ出よっか。そして、お兄ちゃんを一緒に探そう!」
私が男の子にそう言うと男の子はコクっと頷いて服を掴んできた。
その仕草が可愛くて、ちょっとニヤけちゃった。
「おねぇちゃん・・・手つないでもいい・・・?」
男の子は少し遠慮がちに言ってきた。
「もちろん、いいよ!手をつないで行こっか!」
私は、男の子と手を繋ぎ出口へと向かった。
さっきまで、あんなに怖かったのに男の子と一緒に出口へ向かったときは、お化けなんてどうでもよくなっていた。