前を見すえて

「わー

きれいです…」


「ほんとだな
姫美に似合うよ」


ドキッ



「そっ…そんなことない」


「ははっ 初めて敬語じゃないかもな

少なくとも俺の前じゃあ楽にしてよ」



煌は……



男の子だった



初めて
姫美がそういう瞳で見た、男の子だった





「煌…」



「ん?」


観覧車…止まって
このままずっと…このまま…ここで…




一周約30分という長い観覧車

でも
もう半分と少ししかない





「たっけぇー
ちょい、怖くね!?」



「くすくす…
そんなことないよ」



すらっと敬語じゃなくなった




「ちょ、そっち行っていい!?
おれ、何気に高所恐怖性なんだわ」




「いいよ」



煌が移動すると
密着し合う体に姫美は顔を赤らめた



「姫?
顔、赤いよ」


「そんなことないですっ」



ちょうど、半分になったとき
姫美がそう言って立ち上がると
観覧車のバランスが崩れて………






「きゃっ…」

「姫っ!」



< 112 / 125 >

この作品をシェア

pagetop