前を見すえて
俺は林から聞こえた声に耳を澄ます。
新羅か?
「お前はもうすぐ死ぬ。
ここでな」
どこだ!?
林の中から車らしきライトが見える。
そこか‥‥‥‥‥‥?
ドン!ブるるるるるる
車が発進したようだ。
くそ!夜だからか
視界が悪い
「新羅!どこ?!」
「‥‥‥‥‥り‥‥‥‥‥?
か‥‥‥‥‥‥」
!?どこだよ
「新羅!!どこだよ!!」
「かお‥‥‥‥
かおりぃーーーーーーー!!!!!!
助けてぇ!!!!!!!!!!!!!!!」
新羅ぁ!!!!!!!!
がさがさ。
「っら‥‥‥‥‥‥‥
新羅」
「っ、あっ。
くぁっ、っつぅ。
‥‥り
芳っ
‥‥‥‥‥‥‥たっ
助けてぇ‥‥‥‥‥‥
苦し‥‥‥‥」
俺はずっと新羅を抱きしめていた。
携帯電話を出そうとしても新羅を俺を離さなかった。
「ごめ
芳‥‥‥‥‥‥ぃ
わたし、しんじゃうの。
ごめん。」
しばらくして新羅は言った。
「は?!」
「毒をのまされた。」
「なんでのんだ!?」
「飲まされた。
‥‥‥‥‥‥口うつし」
かっと頭に血が上った。
俺は少し強引にキスする。
「芳‥‥」
「守ってやれなくてごめんな。
あ!
病院っ!!」
携帯電話を押していると、新羅はさっと
俺の携帯電話を林の奥に投げ込む。
「な!バッカ!!」
「いいの。
どうせ、助からないの。
だから二人でいて‥‥‥‥‥?」
無理だ
新羅は死ぬのを見とけってことかよ?!