裏ヤン先生に愛されます
それで電話が切れた。
何かを疑っているんだ。
お兄ちゃん…。センセーが不良…?
家の中に入ると、
「誰から?」
と聞いてきた。何も不良なんて最近していないし…。
「お兄ちゃんから。センセー…不良続けてないよね?」
「何で?」
「お兄ちゃんが、昔センセーが不良って知ってるから…」
「…もしかして、ウミか?」
「海お兄ちゃんだけど?」
センセーは何かを悟った顔をした。そしてすぐにあたしを抱きしめた。
「黙って聞け、お前は夜に外を歩くな」
「えっ」
「何でも良いから言うことを聞くんだ」
いつになく、真剣であたしは頷くしかなかった。
「センセーはまだ、不良なの…?」
「あぁ…そうだ。まだ不良だ」
優しい瞳をしているのに、危ない世界にまだいる。