裏ヤン先生に愛されます
「駄目だよ、センセー。もう不良をやめて…」
「無理だ」
「何で?」
「…不良グループから流れたんだよ、情報が」
「情報?」
あたしはセンセーの瞳を見つめるしかなかった。
お兄ちゃんが焦っているのは、何かがおかしい。
(何かあったんだよね、きっと…)
「麻綾が、不良グループの奴らに目ぇつけられてんだ」
「え…」
「だから今はまだ、不良でいる。あいつと結婚したらやめるつもりだ」
そういって、センセーは寝室に行ってしまった。
(…センセーの中にはやっぱり、麻綾さんがいるんだ…。
どんなときでも、あたしより彼女が心にいるんだ…。
どんなに頑張っても、彼女には敵わないって分かっていたのにね)
この2年ちょっとで、センセーのことを沢山知った。