裏ヤン先生に愛されます


そんな日々は、もう永遠にこないのに。

どうしてか、思い出だけが甦る。

「あれ、あいちゃん?」

鞄を持って、玄関に奏平が待っていた。

「泣いてるん?」

「奏平…、あたしね。センセーにバイバイしてきた」

だから、と言ってあたしは奏平に抱きついた。

昨日まで奏平と当たり前に出来なかったことは、

今日から出来るんだ。

もう、後戻りも出来ない。

後悔も何1つないよ。

「あたし、奏平が大好きだよ」

今まで本当に待たせちゃった。だけど、奏平が傍にいてくれるおかげで、

あたしは幸せになれているんだよ。

「あたしをお嫁に貰ってください」

逆プロポーズみたいだけど、学校で言えるなんてめったにないじゃんね。

「あいちゃん…、俺夢見てるみたいや…。俺も好きやで」

2人でずっと、日が暮れるまで泣き続けた放課後。

それをあたしは一生忘れません―…。

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