裏ヤン先生に愛されます


教室を出て行くと、思い出す言葉。

昨日まで恋人同士だったのに。

今日はもう違う。

たった1日で、全てが変わっていく。

廊下を歩くと、自然に涙が溢れた。


【俺じゃねぇよ、あいらが】

【あたしが?センセーの方が先に結婚するじゃんか】

【決められた許嫁だとしても。

こんな結婚の形になって、お前と別れることになっても。

俺は幸せだったよ。

だからお前が結婚するときは、幸せなんだろうなって】

【センセーらしくないよ、本当に】

【泣いてんの?】

【ううん】

【あいら、愛してるよ。この感情に嘘はないよ】

【そんな事あたしだって】


先日まで、お互いに愛していると言えて。

当たり前のように抱きついて。

家を普通に行けて。

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