裏ヤン先生に愛されます
「朝ごはん、作ろうかな。まだ6時だけど」
フライパンを手にとって、ケータイを開く。
(…あたしって。本当単純な性格)
昨日の夜を思い出せば、第一に思うことだった。
久しぶりにキッチンに立った。お兄ちゃんがいなくて、両親がいないのが日常だったから料理なんて簡単に済ませていた。
冷蔵庫を開けると、昨夜買った卵が入っていた。
朝ごはんは、パンに卵を乗せて食べよう。
「…ふぁー。あれ、あいちゃん。早いねぇ」
「奏平、寝癖ひどいよ」
「んー…。昨日の夜徹夜だったから」
「なんとなく見れば分かった」
「そー?」
お兄ちゃんに毛布を被せ直すと、料理を並べた。
「学校まで遠いんやけど。いつもなら出る時間もっと遅いやん?
今日は目覚めんの早いんやねぇ」
「今日はたまたまだよ」
「そうなんー?」