あなたに送ったものでした
私は精一杯、音楽に対しての自分を話した。

3歳から14年間ピアノを弾いてきたこと。

クラシックではなく、歌もののJ-POPがやりたいこと。

寮祭でオリジナルを歌ってすごく楽しかったこと。

自分で作詞作曲が出来ること。

絶対音感を持っていること。

そして、オリジナル曲を3曲入れたMDを聴いてもらった。

弾き語りで録音したので、私の下手くそな歌入りだ。

これを聴いたら誰でもドン引きだろうな、と内心思っていた。

でも私の曲を聴いてもらいたい、その一心だった。



3曲聴き終えた夜さんは意外なことを言った。

「すごくいいね!特に2曲目が好きだな。これなら即戦力だよ」


え。

今なんて言った?

私が即戦力?

いやいやいや。


「ぜひ1度コラボれたら面白いよね。どうかな?」

「そりゃもう、ぜひ」


私はそう答えたけど、嬉しいような悲しいような、複雑な気分だった。

私は夜さんとユニットを組みたいんだ。

でも夜さんは「コラボれたら」と言っている。

私と組む気はないのかな...?

いや、コラボれるだけでもすごく光栄なことじゃないのか?
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