不器用な彼の愛し方《番外編完結》
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「美優花」
未だに目が赤いおばあちゃんが私を見つめる。
「なに、?」
その真剣な眼差しに少し緊張する。
「…家に戻りたいかい?」
なんとなく、そう聞かれる気はしていた。
そして私の返事は一つしかなくて。
「戻りたく、ない」
私が戻りたくないと言えばおばあちゃんを困らせてしまうことはわかってる。
それでも、そのことを理解していても、私はもうあの家に戻ることはできないし、戻りたいとも思えない。
「…うん。それでいいよ」
「…え?」
「美優花は昔から何でも一人でやってしまう子だったんだよ。これが欲しいあれが欲しい、そういうのも滅多に言わなくてね…
だから今ね、私はすごく嬉しいんだよ。
美優花が私を信用して頼ってくれていることが、凄く凄く嬉しいんだよ」
柔らかく笑うおばあちゃんを見て、止まっていた涙がまた溢れ出した。
「美優花はたくさん頑張ったからね、今度は私に頑張らせておくれ」