純情少年が俺様に!?
「怪我はないですか??」
でも、違和感のない、少し高めの声。
上履きの色が青だから、同い年??
「…大丈夫です」
「僕、3年の一之瀬奏太(いちのせそうた)っていいます」
ハキハキと話す彼。なんか、他の男子とは違って
こー、なんというか、…真っさらな純情少年。
私、男子苦手だから、誰がいるとか全然わからない。
この男の子は顔だっていたって普通。というか…地味?
ぼさぼさな髪に瓶底メガネ。
「私は、東城芽衣です。3年生です」
すると、一之瀬くんはぱっと顔をあげて
にっこり微笑んだ。
「東城さんね、ごめん。僕、そろそろ行きますね」
それじゃあ、と立ち上がって階段を登っていった。
「あ、……」
私の足元にサッカーボールのキーホルダーが落ちていた。
「一之瀬くんのかな??」
一応、ポッケにしまい、愛沙美の所に戻った。