サッカー王子と同居中!
「ごめん……たぶんお母さんが体操着を間違えて……部屋に置いたんだと思う」
人気の少ない図書室の近くにあるトイレの前。
あたしはどうしても相ケ瀬くんの顔を見ることができず、下を向いてやっとの思いで事情を話す。
「はーー?」
相ケ瀬くんは溜め息を吐いて呆れかえっている。
やばいやばい。めちゃくちゃ怒ってるよね。
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
「だからあんたはそんなダボっとした体操着着てるわけか。
あーもう、時間ねぇから……30秒で着替えてこい」
相ケ瀬くんは謝り倒すあたしに頭の上に体操着を置いて「早くしろ」と言った。
あたしは「はいっ!」と言うとすぐにトイレに駆け込んだ。