Closed memory
闇夜。
それは、自分の唯一のあり場所。
闇が、自分を隠してくれる。
闇だけが、自分を包んでくれる。
血濡れた自分を、受け入れて、黒に染めてくれる。
物音がした。
下から聞こえてきた。
どうやら、監察対象に何かしらの動きがあったらしい。
「…蘭…丸」
なんだ…やっと起きたのか。
予定なら、二日前に起きていたはずだ。
精悍な男が、古宮 京。
そして、寝ていた男が、矢口 蘭丸。
主の命で、ずっと見張っているが、あの方がなぜあんな二人に固執するのか、理解できない。
したいとも思わなかった。
「…山崎さんたち呼んでくる」
監察対象一が、部屋を出る。
ついて行くべきか……
「……京」
いや、やめておこう。
「京…」
監察対象二、要注意だ。
野生の勘か、特に理由もなく察知した自分はそう頭に入れ込んだ。