ラザガ


……ずずっ


……ずずっ


……ずずっ


……ずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずずっ!!!!!




ひきずる音がすごい勢いで近付いてきた。


突風と共に凄まじい量の土煙があがった。地面が揺れた。大量の土砂が、ばちばちと輸送車の窓ガラスに当たった。
輸送車が大きく揺れた。車内にいた全員が硬直した。混乱した。何が起きたのか分からなかった。


やがて土煙が晴れ、窓の外の景色がはっきりと見えた。


車内にいた全員が、絶望した。


瞳孔が。
輸送車よりも大きな黒い瞳孔が、車の中を覗いていた。


リリーの目だ。巨大な顔を地面に押しつけるようにして、車内にいる四人を見つめていた。
笑っていた。


「きゃはははははははっ!きゃはははははははっ!安心したっ!?安心しちゃったあっ!?残念でしたあっ!わたしはとっくにあなた達を見つけてたの!ちょっとからかってあげよう思ってねえ!きゃはははははははっ!」


リリーは通り過ぎたと見せかけて、すぐに振り向き、凄まじいスピードで戻ってきたのだ。


「きゃはははははははっ!!きゃはははははははっ!!……じゃあ、食べるね」


「う、うああああああああああああああっ!!」


運転席にいた所員が、泣き叫びながらハンドルを握り、思いきりアクセルを踏んだ。


輸送車が走りだそうとしたときだ。


突然、周囲が闇に包まれた。


「え?」


所員は驚いて、思わずアクセルから足を離した。


「な、なんだよ?何がどうなってんだよ?」


助手席の所員が、震える声でつぶやく。


「……食べられちゃったみたいね」


ミチが言った。






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