恋?未満
次に会った時、俺は階段に座って煙草を吸っていた。

最近、もうひとつ踊り場を上がったところで、

煙草を吸うようになった後から来た彼女に、

「何処で吸われますか?」

と、慌てて立ち上がり、敬語で尋ねてしまった。

「上で。隙間風が気持ちいいんですよ。」

そう言って、一段飛ばしに階段を上がる彼女から目が離せなくなる。

煙草を燻らせながら、気持ち良さそうに風にあたり、

目を閉じた横顔を、俺は呆然と見詰めていた。
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