追いかけても追いかけても
なんとなく聞こえた声で目が覚めた。
視線を声の方に移すと奏多が誰かと電話をしている。
まだ夜中の3時だ。
あの2人はそんな時間に電話してくるタイプじゃない。
誰だろう?
「そんなこと言われても…。ちゃんと話し合えよ。な?」
相手をなだめるような声色で静かに話している。
聞き耳を立てていると女の泣き声が聞こえてきた。
こんな夜中に泣きながら電話してくるような友人がいるんだろうか?
それとも元カノ?
気になってしまいジッと奏多を見ていると、こっちに気づいた。
困ったような顔をして私を見る。
「ごめん」と口だけを動かして言うが私は「だれ?」と聞いてしまった。