追いかけても追いかけても
これ以上口を開いたらきっと汚い気持ちまで言ってしまいそうで私は黙った。
布団に横になり目を閉じる。
奏多が静かに横に入ってくるのがわかる。
「あゆごめんな」
どうして謝るの?
起こしてごめん?
相手を言えなくてごめん?
それとも
好きになれなくてごめん?
涙がでてきてしまう。
でも泣いてるのに気づかれたくなくて必死に嗚咽を噛み殺した。
電話の相手は誰だったのだろう。
どんな関係なんだろう。
不安に思うことがまた1つ増えて怖くなった。
そんなことを考えているうちに意識は遠のいていっていた。