追いかけても追いかけても


鳴り響くアラームの音で目が覚めると隣ではまだ気持ち良さそうに眠っている奏多。


アラームを止めると奏多を起こす。
奏多は眉間にシワを寄せて目を開けた。

「おはよう。もう7時だよ」

「ん。おはよ。ねみーよー」

なんて言いながら体を起こして布団から出て行く。
変哲もないいつもの風景。
昨日のことなんて嘘のように穏やかな朝だ。


今日も由紀達と学校へ向かう。
授業のある教室へ行くとなんだか騒がしかった。

「なにかな?」

由紀が不思議に思ったのか辺りを見回す。

「さあ?」

直樹は首を傾げて近くにいた人を呼び止める。

「なあなあ、なんかあったの?騒がしくね?」

「ああ、なんか八代さんが先輩と別れたって噂になってるんだよ」

その言葉に私達はとても驚いた。
八代さんが別れた?

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