追いかけても追いかけても
奏多が話しが終わったのを見て近づいてくる。
直樹は後ろから様子を見ている。
由紀も直樹の方まで行ってしまって、そこには私と奏多しかいない。
騒がしい教室内なのにここだけはなんの音もしていないように感じる。
「おはよ、あゆ」
困った顔で恐る恐る話しかけてくる奏多。
「おはよう」
私は気まずくて俯いてしまう。
「昨日、連絡したんだけど…」
「うん。来てた」
なかなか言い出せないのか奏多は俯いてしまう。
でもすぐに顔を上げて私の手を取ると教室から連れ出した。