追いかけても追いかけても
ひとしきり泣いた後私は2限の教室に向かった。
帰ってしまいたかったがそうもいかないのが大学だ。
欠席回数も決まっているし、高校までのようには助けてもらえない。
教室にはもう由紀がいて、直樹と奏多と話している。
遠くから見ていても由紀がなんとなく怒っているのがわかる。
もしかしたら別れたことを伝えたのかもしれないし、全く違うことで怒っているのかもしれない。
私はそっと3人に近づくとすぐにみんなは気がついた。
「あゆ!心配した!」
近寄ってきて悲しそうな顔をしている。
「おはよ、あゆ」
直樹はなんとも言えない顔をしていて、別れたのは聞いたのだと思った。