追いかけても追いかけても
2人は私がいることに全く気づいていなかったみたいで、とても驚いている。
私はもう一度ゆっくりと聞いた。
「どういうことですか?奏多のこと好きじゃなかったの?」
八代さんは気まずそうに目線を下にずらす。
無言が肯定の証だった。
「なにそれ…先輩と喧嘩したから奏多と仲良くしたの?私2人が両思いならって諦めようとしたのに!」
「ごめんなさい…」
ごめん?
奏多の気持ちも私の気持ちも踏みにじって謝って終わりなの?
「奏多を傷つけないでよ…」
気がついたら涙が流れていた。
2人は黙っていたけど、少しして先輩が口を開いた。