恋愛事案は内密に
一流のホテルの一室に男が二人。

広い部屋なのに、息苦しく感じる。

「緊張するなあ」

駒形さんがいつになく小さな声でつぶやいた。

「大丈夫です。僕がいますから」

「こんなこと、女にしたくないんだけど」

「そうですよね……」

「誰にでもすると思ってんだろ」

答えなかった。

駒形さんは僕にとって恋敵でもあるから。

「そこまで森園のこと、心配してるんだな」

「計画のためです」

「だからってなあ。こんなことして彼女、傷つけることになるんだけど」

「僕が責任をとりますから。計画が失敗しませんよ」

「ずいぶん自信があるんだな」

「ええ。必ずいい方向へむけさせますから」

僕のスマホが鳴った。

栗林さんからだった。

「そろそろこちらへ来ます」

「わかった」

そういって僕は隣の部屋の寝室へ移動する。

真っ暗な部屋の中で待機していくと暗闇にまぎれ、さまざまな思いがかけめぐる。

黒々としたこのあとの思いをぶつける欲望もわきあがることを隠しながら。
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