恋愛事案は内密に
息をつくように、つぶやいているのに気づく。

近くにいた心配そうな顔をしたウエイターさんと目が合い、恥ずかしくなった。

変な空気を入れ替えるために、いたたまれなくなりトイレにいこうと立ち上がる。

視界がぐるぐる回転している。

私の世界は自転にさからっている。

それぐらい今のこの時を早く過ぎ去りたいのだろう。

足に力が入らないまま、ふらふらとトイレの入口までたどりついたとき、とうとう足が体を支え切れず、床に倒れこみそうになった。

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