あの頃の君へ
「ばかっ……本当に、バカなんだからっ……」
まるで子供のように泣いて泣いて泣きまくると、拓真は腕の中で震え出した。
「えっ、拓真どうしたのっ」
もしかして体が……っ!
しかし拓真は具合が悪いでもなく、泣いているでもなく、
「……ちょっと、何で笑ってんのよ」
堪えるように笑っていただけだった。
「いやぁ、みのりが俺のためにこんなに泣いてくれるとは思わなくてさ」
「なっ……!じゃなくて!私は怒ってるのっ」
「あれ?もしかして病人の俺に?」
「う……」
そうよ!とは言えず近くにあった椅子に座ると、今度は拓真が私を抱き締めた。
「みのり……」
「ん…」
「……すげぇ会いたかった」