世界でいちばん、大キライ。
片手をポケットに突っ込み、もう片方の手をひらひらとさせて、振り向かずにジョシュアは桃花の元から去っていく。
首を傾げながらその背中をある程度まで見送ると、一息ついて手元のサンドイッチに手を掛けた。
(電話、したいな。早朝でも、たまになら許されるかな)
ふと、そんなことが頭を掠め、手が止まる。
そして、ただ、なんとなく。
桃花は無意識に顔を上げる。
前方には、先程と変わらない街の景色。
少し視線を上げると、遠く見える樹木の間に薄らと虹が見えた。
「虹……!」
思わず顔が綻ぶ桃花の視線が、黒い影に留まった。
さっきまで、虹を見つけて柔らかな表情をしていたはずなのに、一瞬でそれがなくなり、強張った顔になる。
すると、サンドイッチが膝の上にあるのも忘れて、桃花はその場に立ち上がった。
「……うそでしょ……?」
小刻みに身体が震えているのは気温のせいではない。
信じられないことが、今、目の前で起きているからだ。
「な……ん、で?」
カタカタと震える手で口元を覆う。
瞬きなんかできない。
なぜなら、その桃花の大きな瞳に映し出されていたのは――。
「元気? ……みたいだな」
首を傾げながらその背中をある程度まで見送ると、一息ついて手元のサンドイッチに手を掛けた。
(電話、したいな。早朝でも、たまになら許されるかな)
ふと、そんなことが頭を掠め、手が止まる。
そして、ただ、なんとなく。
桃花は無意識に顔を上げる。
前方には、先程と変わらない街の景色。
少し視線を上げると、遠く見える樹木の間に薄らと虹が見えた。
「虹……!」
思わず顔が綻ぶ桃花の視線が、黒い影に留まった。
さっきまで、虹を見つけて柔らかな表情をしていたはずなのに、一瞬でそれがなくなり、強張った顔になる。
すると、サンドイッチが膝の上にあるのも忘れて、桃花はその場に立ち上がった。
「……うそでしょ……?」
小刻みに身体が震えているのは気温のせいではない。
信じられないことが、今、目の前で起きているからだ。
「な……ん、で?」
カタカタと震える手で口元を覆う。
瞬きなんかできない。
なぜなら、その桃花の大きな瞳に映し出されていたのは――。
「元気? ……みたいだな」