櫻の王子と雪の騎士 Ⅰ




そう、この男はこの国の王。
今回、この国はとある国と戦争を起こした。



軍の大きさ、戦力共に世界トップクラスのこの国は、今回の戦争での勝利を確実としていたのだ。



唯一、懸念だったのは、相手国がフェルダン王国の友好国であったこと。



フェルダン王国は友好国が戦争など国防の危機に見舞われた際、援軍を送る。



援軍とは言いつつも送られてくるのはいつもたった一人。



しかし、そのたった一人が相手国のもっと大きな脅威となる。



フェルダン王国近衛兵特殊部隊。



それは、この世界でも数少ない魔法使いのみで編成された部隊だ。



この世界の国が保有する軍は、それと同様の部隊を持つことが多い。



魔法で攻撃されればどう足掻こうと魔法でしか対抗ができないからだ。



しかし、その中でフェルダン王国の特殊部隊は他を寄せ付けないほどの強さを誇る。



たった数人で編成されておきながらも、それぞれが異常なまでの大きな魔力とそれを操る最高のセンスを持つ。



また、フェルダン王国に伝わる特殊な武術を体得しており、魔法を使わなくとも一般の兵士は相手にもならないと言う。



彼かと一度でも戦闘で拳を交えた者達は口を揃えて言う。



奴らは『異形』だと。



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