姫は冷血王子の所有物
私の赤面も虚しく、部長は出口へ直進。
そのまま少し肌寒い夜の街へと足を踏み入れてしまった。
「ぶ、部長…。あの、もう大丈夫ですから…。お、下ろして…。」
「ダメだ。」
即答で冷たく返された⁉︎
「あの、部長!私、本当に1人で帰れますから!」
「無理だろう。」
な、なんなのさっきから⁉︎
私ってそんなに子供に見える?
ど〜したらいいのよ〜⁉︎
「…お前は黙って俺に捕まってろ。」
悶々と考えていたら、耳の近くでそんな甘いセリフを言われる。
「いや、あの…。」
それだけで、私の耳と顔は恐らく真っ赤だろう。
(よかった。お酒飲んでて…。)